Gliga(グリガ)
世界中で愛されるグリガ
グリガ社は、ルーマニアにおいて最も著名なバイオリンメーカーとして知られており、マエストロで、工房創始者のグリガ・バジル(Gliga Vasile)は数々の国際コンクールで賞賛を受けてきました。彼はドイツの弦楽器工房で弦楽器製作を学んだのちに母国であるルーマニアに戻り1990年前半よりグリガ社の創業を開始します。すべての工程を入念な手作業によって行う製作方法、深みのある柔らかな音色は多くの演奏家の支持を集め、グリガは今や全世界で愛用されています。
こだわりの伝統製法
創業当初から量産体制が確立された今もなお、その製作工程は驚くほどに「人の手」によるものであり伝統製法を忠実に守っています。そしてそれは、グリガの最大の特徴でもあります。バイオリンの表・裏板は、豊かな響きを生み出すため、場所により削り出す厚さを微妙に変える必要があります。量産メーカーの機械技術は進化してきましたが、やはり機械でこの繊細な作業を行うことはできません。こうして豊かな響きの強度に優れた美しいアーチを描く楽器が生まれます。
楽器の美しさを決定づける一要素であるニスもアルコールニスを手塗りする伝統的な方法が採用されおり、塗り〜乾燥を複数回くりかえし、丁寧に仕上げられていきます。グリガでは深い色合いのアンティークフィニッシュと、モダンフィニッシュの2種類が用意されています。
製作者の思いが強く表れるとされるスクロールの削り出しももちろん1本1本手作業によるものです。サウンドへの影響はさほど大きくないこのスクロールですが、このような細部にも気を配り美しく仕上げてある楽器は、表からでは見えない内部まで丁寧に作られているという証なのです。
日本限定仕様 - 20年以上のこだわりの証
日本の演奏家に最良の楽器をお届けするため、グリガの日本総代理店である黒澤楽器店ではグリガ工房へ独自のオーダーを行っています。例えばニスの微妙な色あいや木材の質まで、細かな指定をし、出来上がって来た楽器をチェックしては、さらに改良を重ねるという工程を幾度となく繰り返して来ました。また、国内に到着した楽器は当社の職人によって検品されたのち、最適なセットアップが施されています。
グリガ社製の楽器は、Gliga / GAMA / GEMSの大きく三つのグレードに分けられています。
Gliga
maestro stringed instruments
最もクオリティの高い美しい木材が使用され、かつ完璧なハンドメイドで仕上げられています。
GAMA
professional stringed instruments
すべての作業がグリガ監督のもと、グリガが直々に育成した職人によって作られており、職人の高いクオリティやレベル、木材の美しさを誇っています。
GEMS
student stringed instruments
学生・初学者のためのモデルですが、ここでもすべての楽器が手作業によって作られており、Gliga Vasile、GAMA工房の影響を強く反映しています。
カルパチアの豊かな自然から生まれる良質な木材
バイオリンを始め、さまざまな弦楽器製作が盛んな都市、ルーマニア北部の山間の街レギン。音楽と豊かな自然に囲まれたその土地にグリガの工房はあります。木材の産地として知られるカルパチアの山々から切り出される良質なスプルース材は、世界中の楽器製作者からその品質の高さが認められており、あのストラディヴァリも使用したと言われています。弦楽器以外には、かつてのスタインウェイのピアノの響板にも採用されていたほどです。横・裏板のカーリーメイプル材も含め、グリガではこれらの木材を切り出したのち、何年もの間自然乾燥させます。