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コラム

みんなが気になる、コントラバスのリペア動画♪

名古屋店の「Gliga(グリガ)コントラバス」が、店頭に並ぶまで【名古屋店】

【単板削り出し】【ヨーロッパ製】というクオリティを保ちながら高いコストパフォーマンスを実現している 【Gliga(グリガ)】のコントラバス。
ルーマニアから届いた状態のままでは、演奏することが出来ません。
入荷してから店頭に並ぶまでのコントラバスリペア作業を【動画】でご紹介!!

ヨーロッパから、船便で名古屋店に届きます。

ヨーロッパからは、船便にて日本に届きます。
クロサワバイオリン(全店分)としてGligaは年に3~4回毎回なんと30本前後のコントラバスが入荷しております。
楽器は組み上がった状態で届きますが、パーツは全て外れており、演奏するまでには全てに調整が必要です。
高級な楽器ももちろんですが、ビギナー向けの楽器こそきちんとした状態でご案内する事が、多くの方にコントラバスを楽しんで頂く「初めの一歩」だと考えます。

~ 店頭に並ぶまでの 初期調整 ~

【 前編 】 弦 → 魂柱 → 上ナット

① 弦の取り外し

Gligaのコントラバスがルーマニアから届いた際、一応、弦はペグに巻き付けてある状態で届くのですが、この弦は固すぎて使い物になりません。
もちろん演奏にも向かないので、全て外して処分してしまいます。
実際に張る弦は、楽器のセットアップ方針(演奏ジャンルなど)を決めて新品の物を最後にチョイスします。

② テールピースの調整

弦を外したら、そのままテールピースの調整に入ります。
最初から付属しているテールワイヤーが使えない訳では無いのですが、若干細くて頼りないこともあり、名古屋店のGligaコントラバスは必ず交換してグレードアップしています。
ケブラーコードという特殊な素材のものを使うことで、テールピース自体の振動が確実に増し、低音が豊かになるのです。 テールワイヤー自体の強度も上がるので、スタッフが安心してお客様にご案内できます。
個体によってはテールピースの弦を通す溝(の幅)なども、このタイミングで調整します。

③ 魂柱(こんちゅう)のセットアップ

楽器の全体をチェックしたうえで、いよいよ調整です。
先ずは魂柱(こんちゅう)をセットアップします。
魂柱もGligaオリジナルのものが付いてきますが、長さや接地も調整が必要な状態です。 楽器の弦長と駒の位置を想定した上で、標準的な位置に魂柱をフィッティングしてゆきます。
「弦の振動を裏板に伝える」という大切な役割を担う魂柱は、セットアップの第一歩と言えます。

④ 上ナットの調整

指板の上部にあり、弦が乗っている「上ナット」
このパーツ調整も、弾きやすさ発音を意識するととても重要です。
入荷時は粗削りな状態で届くので、先ずはノミを使って高さを下げます。
同時に整形も行い、弦の太さの3分の1ほどが溝に乗っかるように調整します。
溝に埋もれてしまうと振動のロスが生まれて、発音が悪くなると言われています。

【 後編 】 指板 → 駒(こま) → 組み上げ

⑤ 指板の調整

上ナット同様に、実は指板も粗削りな状態で入荷します。
もちろんある程度の整形はされているものの、目に見えないレベルでの凹凸があったり、「コーニッシュ」と呼ばれる指板のアーチが調整されておりません。
黒檀(こくたん)の表面上をリシェイプすることで、スムーズにポジションを掴む事が出来るようになります。 簡単に言うと、弦を押さえやすくなるのです。

⑥ 駒(こま)の調整

ここで漸く、駒(こま)の調整に入ります。
「駒の調整」という作業は比較的有名ですが、実際には高さだけではなく、「位置」「角度」「駒足の接地」「厚み」「整形」など、様々な調整内容がございます。 駒の初期調整は、その全てが 標準 になる事を目標にセッティングしてゆきます。
この調整により、弦長も想定通り合わせることが出来ます。

⑦ 組み上げ → 試奏 → 店頭へ

楽器本体・パーツの準備が完了したら、いよいよ組み上げ(弦を張る作業)です。 ここでやっと音を出すことが出来ます。
いろいろと想定して調整された楽器でも、実際に弦を張ることでテンションが加わり「歪み」が生じます。
「組み上げ → 試奏 → 再調整」を何度か繰り返して最後にバランスを調整してゆく作業も、大切な工程です。
最初に決めた楽器のセッティング(演奏ジャンルなど)に合わせた弾き方で試奏を繰り返し、やっと店頭に置ける「楽器」になるのです。


 

コントラバスの「初期調整」って?

上記のような様々な工程を経て、やっと店頭でご試奏頂ける「楽器」となります。
今回はGliga(グリガ)のコントラバスを例にしましたが、「初期調整」は楽器によって作業内容が異なります。 実は低価格帯の楽器ほど入荷時の完成度が低いため、その工程は多くもなります。
初期調整を疎(おろそ)かにすると、「弾きづらい」「鳴らしづらい」楽器となってしまい、楽器の楽しさが伝わりません。
初心者の方が使われる楽器こそしっかりと時間をかけた上でお手元に届けることが、専門店としての義務だと感じております。

クロサワバイオリン名古屋店では、新品・中古に限らず初期調整を行いご案内しております。 更に遠方のお客様も安心してご注文頂けるよう、WEBショップからのご購入時も店頭と変わらないレベルで調整作業を行っております。ぜひご利用くださいませ。

 

コントラバス 担当リペアマン

田中 聖人(たなか まさと)

楽器の製作者はもちろん、オールド、弓にも精通した深い知識を持つ。 また、自身もコントラバスを演奏し、吉見雄二氏、イタリアにて演奏家Massimo Giorgi氏に師事。 リペアからの立場だけでなく演奏者の目線で楽器を診断し、お客様のご要望に対して楽器の健康状態を適切に見極め、弾きやすさ・音色に拘った作業をモットーとする。コントラバスに関するピックアップやアンプ等の機材の知識も社内トップクラスで、エレクトリック・アップライトベースの調整・修理も柔軟にこなす。
入社当時より10年以上コントラバスリペアに携わり、ジャンルを越えて数々の著名なプロ奏者を顧客に持つ。日本でも数少ない、コントラバス専門スタッフ。
クロサワバイオリン名古屋店 店長。(クロサワバイオリン名古屋店常駐)


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クロサワバイオリン名古屋店

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